夢の途中ブログ

プライドの柔らかいところを

嘲笑のオカズにされる部活

文芸部で部長をしている。

という内容のブログを下書きして一回消した。

開設してすぐ自分のキャラクター紹介かよって思っちゃってさ。こういう奴なんでヨロシクってか。そんなちょいちょい情報出すならプロフィール欄に全部書いとけ。と思って寝て起きてこれを書いています。

いやよく考えたらさ、よく考えなくてもブログってそういう場所だよね。 自分のこと書く場所だよ。自分語り、それがすべて。それが恥ずかしいならブログやんなきゃいいんだよ、オッケー。

だからさっき書いたやつを思い出しながら書くよ。

文芸部に所属している、

というとだいたいその顔をされる。それ、その顔だよ。 返す言葉は「へーすごいね」だったり「文芸部って何すんの?」だったり、いやだったりつうか専らこの2パータンなんだけど、その時の表情はほぼ1択。

ちょうど良い嘲笑の対象を見つけたとでもいいたげな。 「ほおほお、それは面白そうですね」と言いながらたくわえた顎髭を撫でてきそうな表情。髭は切れ。 風俗で裏サービスを知ったときみたいな「面白そうですね」じゃねぇよ。知らんけど。風俗で裏サービス知ったときの顔なんて知らんけど。

とにかくこれはいい感じにバカにできるぞ、思春期特有の痛い話が聞けるぞって顔をされるわけです。

あとは、マジで1ミリの興味もないって顔する奴もいるけどね。それはまぁ「無」だからノーカン。

なかなかここまで自己紹介だけでイタイ奴認定される部活もない。 あったら教えてほしい。

うちの学校には漫研もあるけど、漫画描いてるのと小説書いてるのってどっちがイタイんだろ?

どっちでもいいけど、そんなん。なんかでも漫画はまだ可愛げがあるよね。漫画好きだから漫画描いてんだ~どれどれ?え~結構絵上手いじゃん!みたいなやりとりあるよね。まぁそこに多少の嘲笑は含まれてるとしても絵上手いってわかりやすくすごいし。

場所によるんだろうけどうちの文芸部は小説を書いて年に2回冊子を印刷所に頼んで印刷してもらってそれを文化祭で配っている。週に一回集まって収容所みたいに狭い教室で小説を書いてもいる。

何かの罰ゲームかなと思うかもしれないが、これがうちの部員の望んだことです。

我が校は中高一貫校なので、そして恐ろしいことに私は入学して間もなく文芸部に入ったので5年間所属していることになる。

5年というのはイキった中学生が我に帰るのに十分すぎる時間だった。

小学生の時ハマってたシリーズの主人公が文芸部の部長だった。部員が少ない中だらだらしたり締め切り前はバタバタしたり楽しそうだった。 本が好きだし、国語得意だったし小説書けんじゃねぇかなと思って入部した。美術部と兼部していたし片手間でやろっと思ってた。 部活のセレクトが完全にオタク乙である。

中2、中3と経ち、中3の終わりは次期部長になることが決定していた。いつの間にか美術部を退部し、いわゆる厨ニ病は卒業し、自分の才能の無さに気づき、あの本の主人公みたいに副部長とイイ感じの仲になることもなく、それでも次期部長になった。

この部活は私にとって愛すべき黒歴史の倉庫である。今になってわかったことだけど、厨ニ病だとかそういう「自分は特別なんだ」という意識は大事なものだったと思う。特にこの部活において。

自分がつまんねぇ凡人だと気づいた後も小説を書き続けるってキッツいのよ??自分をある程度客観的に見れるようになってから、まだ書かなきゃいけないって気が狂う。

だから「私バッドエンドしか書けないんだよね~」「気づいたら人殺しちゃうっていうか」という会話を繰り広げている後輩に羨望のまなざしを向け続ける。

気づいたら登場人物が死んでるなんてそんなわけがない。メモ帳にプロットを組んだり風呂の中で一生懸命展開を考えてるんだ。そう言え。そうだと言ってくれ。

未だに登場人物が勝手に動き出したことのない凡人な部長はそう願い続けている。

彼女たちの自意識は今日も眩しく輝いて、まだ発掘作業の途中にいる彼女たちは"才能"が見つかる可能性を秘めている。それが恐ろしい。 発掘作業が完全に終わった私には、もう"才能"が見つかる余地がないから。

最初に書いてた下書きのほうが上手い終わり方をしたはずなんです。 でも忘れちった。たぶん忘れちったからには大したレベルのオチでもなかったんで、もうこれで終わりってことにします。